情報の価値を決めるのは受け手 SMAP報道の例

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情報の価値を決めるのは情報の受け手
-SMAP報道を例にして

「独学」ということばに惹かれて下記の書籍を読みました。

『知的戦闘力を高める 独学の技法』.山口 周.ダイヤモンド社(2017/11/15)

面白かったです!

特に、著者の「何をインプットするか」よりも「何をインプットしないか」が重要だという指摘、その通りだなと思いました。

今は、至る所に情報が溢れかえっています。そのため、自分にとって価値ある情報を適切に探しだすことは至難の技です。ですから「何をインプットするか」ではなく「何をインプットしないか」という戦略は、有効な戦略だと思いました。

他にも、「自分が学ぶべきジャンルについては、二つのジャンルのクロスオーバーを考えてみる」や「『問い』を持つことで人間や世界に対する理解や関心が深まるとき、それは間違いなくビジネスに関連する『ものの見方』についても新しい刺激を与えてくれる」など、今後、活用していきたいアイデアが書籍の中で数多く紹介されています。

文体も読みやすく、ビジネスマンに限らずお勧めの一冊だと思います。


でも、この『知的戦闘力を高める 独学の技法』を読んで最も印象に残った部分は

自分の人生にとってどうでもいい情報

の例として挙げられていた、SMAP解散報道に関する記述です(ちなみに、私はそこそこのSMAPファンです)。

著者は

前述したように、私はニュースの類をほとんど見ません。アイドルグループのSMAPが解散しましたが、このニュースも解散後しばらくたった時に、たまたまタクシーに同乗した同僚から「そういえば、SMAP解散しちゃいましたね」という話題を振られて初めて知ったくらいです。

(引用1)

と記述しています。

著者は、SMAP解散情報を「自分の人生にとってどうでもいい情報」の例として挙げていますが、でも、自身の著書にSMAP解散情報について載せています。ですから、著書に載せた段階で、SMAP解散情報は「自分の人生にとってどうでもいい情報」ではなくなっているように思えます。
同僚に教えてもらうまでSMAP解散という情報を知らなかったとはいえ、少なくともSMAPという存在は知っていて、その存在価値を認識しているからこそ、自身の著書にSMAP解散を知らなかった!とわざわざ記述しているように思えるのです。

つまり、著者は

・自分はSMAP解散という日本中の人々が知っているであろう情報を知らなかった
・日本中の人々が知っているにもかかわらず自分は知らなかったという事実は希少である
・解散を知らなかったというこのエピソードは価値があるから本に書こう

と洞察したのではないでしょうか。

著者は、SMAP解散を知らなかったという情報を著書に書くほど価値ある情報と洞察しているのです。決して人生にとってどうでもいい情報ではありません。結局、SMAP解散という情報は、価値ある情報といえるのではないでしょうか。


また、著者は

これを先述した「情報の取得→示唆の抽出→行動への反映」という枠組みで考えてみれば、「SMAPが解散した」という、恐らく膨大なエネルギーと時間をかけて日本中の人々が流通させた情報には1ミリの価値もないことがわかるでしょう。私にとっては、SMAPが解散しようがメンバー同士が同性婚しようが、自分の行動の変化に直結する示唆も洞察も得られない

(引用2)

とも記述しています。

著者は「情報の取得→示唆の抽出→行動への反映」の枠組みの中では、「SMAPが解散した」という情報は自身の行動の変化に直結する示唆も洞察も得られないものであるから「1ミリの価値もない」情報であると指摘しています。

でも、実際は「SMAPが解散した」という情報を自身の著書に載せるという行動をとりました。ですから、SMAP解散情報を「1ミリの価値もない」情報と言い切ってしまうことは少々無理があるように思えます。逆に、著書に記述するほど価値ある情報だったともいえるかもしれません。


上記の指摘、なんか屁理屈っぽい指摘だなと思います。でも、SMAP解散という情報を「1ミリの価値もない」情報と書かれてしまうと、そこそこのSMAPファンとしては屁理屈の一つも言いたくなってしまうわけです。


ところで、私自身は「SMAP解散」という速報がテレビで流れた直後に、その情報が示唆する内容を洞察し、そして、実際にツイートするという行動をとりました。

【行動への反映】:2016年8月14日、午前2:29にツイート

SMAP速報後の初ツイッター画面

実は、この後も様々な行動が続きます。つまり、私にとっては「SMAP解散」という情報は、決して自分の人生においてどうでもいい情報ではなく、非常に価値ある情報だったわけです。


ということで、ここから本題です。

情報の価値は情報の受け手に依存する

「SMAP解散」という情報が、価値ない情報となるか価値ある情報となるかは、情報の受け手に依存すると思います。

『知的戦闘力を高める 独学の技法』では、「情報の取得→示唆の抽出→行動への反映」の枠組みで情報の価値を捉えています。よって、この著者が提案する枠組みに当てはめて情報の価値について考えてみると

「SMAP解散」の情報が価値のない情報となるのは

その情報を受け取った人の行動に何ら影響を与えず行動がなされない場合

であり、「SMAP解散」の情報が価値のある情報となるのは

その情報を受け取った人の行動に何かしらの影響を与えて行動がなされる場合

です。

つまり、同じ「SMAP解散」という情報が、価値のない情報になるか価値のある情報になるかは、あくまで受け手次第であり、受け手の行動に情報が反映されるかどうかで決まることになります。

結局、情報の価値を決定しているのは、あくまで受け手自身なのです!


溢れかえる情報から「何をインプットするか」「何をインプットしないか」を決定するのは受け手自身です。溢れかえる情報に対し、自分にとって価値ない情報を華麗にスルーして価値ある情報をいかにうまく見つけ出すことができるか! これからは、これが「知的戦闘力」アップの鍵になるのでしょう。

『知的戦闘力を高める 独学の技法』、なかなか示唆に富んだ良書でした。


以下、完全に余談です。
著者の記述で気になる点が一つあります。

(引用2)で、著者は「メンバー同士が同性婚しようが」と突然、解散以外の情報にふれています。この「同性婚」ということば、一体どこから出てきたのでしょう?
解散報道のとき、あれやこれやと報道は大騒ぎでしたが、「同性婚」ということばが報道された記憶が私にはないのです。

う〜〜〜ん,同性婚? どんな組み合わせなんだろう・・・

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