博士の学位を取得するまでの道のりは、驚くほど長かった!
博士の学位を取得するためには、博士学位論文の審査を受け、その審査に合格しなければなりません。
合格すれば、めでたく博士号取得だね!
そうです!でも、論文の審査を受けるだけでも、多くの壁を倒す必要があります!
合否は別として、とりあえず、論文を書いて提出すれば審査は受けれるのでは?
私の場合、論文を書いて提出すれば審査を受けられる、という状況ではありませんでした。まず、研究している内容が、審査レベルに達しているかどうか調べられます。達していると認めてもらえたら、論文を書き始めることができます。
博士号を取得するって、大変なんだね…
詳細な審査基準や審査方法などは、所属している大学のウェブサイトで確認してください。以下は、早稲田の人間科学研究科の要綱(2022年度)です。
https://www.waseda.jp/tokorozawa/kg/doc/38kenkyukayoukou_kanendo/38kenkyukayoukou2022.pdf
私が審査を受けるまでの流れは、以下のようなものでした。所属大学や所属年度などによって、博士学位論文の審査を受ける過程は異なりますので、あくまで、参考程度にとどめてください。
博士後期課程に3年以上6年以内在学
まずは、博士後期課程に3年以上6年以内在学で研究指導を受けていること、これが基本条件です。ただし、例外的なケースはあるかもしれません。
6年以内は、大きな壁ですね!
中間報告会
中間報告会とは、審査してもらう予定の論文の概要を、事前に報告する会です。この中間報告会も、大きな壁となります。
中間報告会では、自分が研究している内容がどのくらいのレベルに達しているか、報告をします。博士学位のための論文を執筆するレベルに達しているかどうか中間報告会で検討されるわけです。ここで、執筆レベルに達していると認めてもらうことができたら、論文を書き始めることができます。
「博士論文を書き始めていいよ!」っていう許可がもらえるわけだ!
中間報告会では、報告するだけでなく、質問もされました!
複数の公表学術論文
また、論文を審査してもらうためには、博士学位論文に関連した内容で、自分が第一著者の公表学術論文を複数もっている必要があります。
公表学術論文を複数? 何それ?
「博士論文と関連する内容の投稿論文を、そこそこ名のある学会誌に、査読を通して複数掲載しといてね!それも、第一著者の論文ね!」 ってことかな?
公表学術論文の必要本数は、掲載されている論文誌のレベルで判断されるようです。国内の学会誌でも、難易度が高い学会誌であれば業績として認められますし、海外の学会誌であっても、その学会誌のレベルは問われます。
単純に、論文がたくさん掲載されていればいいというわけではないんだね…
研究倫理教育の受講
研究倫理教育の講義を受講する必要があります。ただし、これは早稲田大学だけの条件かもしれません。
早稲田以外でも必須なのかなぁ…
研究倫理教育に関しては、受講していればOKです。もちろん、研究倫理は守りましょうね!
博士学位論文を受理するかどうかの審査
ここまでの条件をすべてクリアし、無事に博士論文を執筆することができたら、大学に博士学位論文の審査を申請します。
申請すると、大学の論文審査員が博士学位論文の審査をするかどうか検討します。この壁を倒すと、公開審査会を行う日程等の具体的な話が始まります。
これで、博士論文審査会を開催してもらえるんだね!
博士学位論文を審査する会
いよいよ、博士学位論文の審査会です。事前に、主査や副査を引き受けてくださった教授等に、審査していただく論文を渡しておきます。
審査会は公開された状態で開催されますから、多くの人が集まります。そのため、発表後に行われる質疑応答の時間には、主査や副査だけでなく、多くの人から多様な質問がとんできます。それらの質問に対して丁寧に応えていきます。博士学位論文の審査は、卒業論文や修士論文の口頭試問などとは別次元に厳しいです。
私の場合、質問されるであろう内容を、ある程度、想定して審査会に臨みましたが、想定外の質問がたくさんあり、面食らいました!
博士学位論文審査会は、ラスボスだね!
まとめ
博士の学位を取得するためには、博士学位論文の審査に合格しなければなりません。とはいえ、審査を受ける以前に、倒さなければならない壁がたくさんあります。
私の場合は、以下のような壁でした。
・博士後期課程に3年以上6年以内在学
・中間報告会で研究状況の報告
・複数の公表学術論文
・研究倫理教育の受講
・博士学位論文受理の審査
改めて壁を書き出してみて思ったのですが、博士号を取得した自分、すごく頑張ったのですね!