修士課程と博士課程に入学する社会人

修士課程と博士課程に入学する社会人の人数は多い?

社会人生活を経験した上で大学院に入学する人は、実際、どのくらいいるのでしょうか?

修士課程と博士課程の両方を経験した私の感覚では、修士課程のときには周りに若い学生さんがたくさんいました。でも、博士課程に進むと周りの学生の平均年齢がグッと上がった印象です。

文部科学省のウェブサイト
科学技術指標2017 3.2高等教育機関の学生の状況 には

博士課程入学者のうち社会人入学者数は継続して増加しており、2016年度では0.6万人となっている。全体に占める割合は、2003年度で22%であったが、2016年度では41%と約2倍となった。社会人以外の博士課程入学者数の減少の度合いは社会人以外の修士課程入学者数よりも著しい。

と書かれています。
大学院博士課程に入学する社会人が増えているため、博士課程に在籍する学生の平均年齢が高くなるのかもしれません。

そこで、社会人が修士課程と博士課程にどの程度の割合で入学しているか確認してみましょう。グラフを描いて比較するとわかりやすいですから、まずはグラフを描いてみます。グラフの参照元データは、上記の文部科学省のウェブサイトに掲示された 表3-2-3 と 表3-2-4 となります。


修士課程と博士課程に入学する社会人の割合

修士課程と博士課程に入学する社会人の割合の推移を折れ線グラフで示してみました。
データの範囲は、2003年から2016年までとなります。

社会人大学院入学者数の推移を示した折れ線グラフ

注:上記グラフにおける社会人の定義
社会人:各年5月1日において職に就いている者、すなわち、給料、賃金、報酬その他の経常的な収入を目的とする仕事に就いている者であり、企業等を退職した者、及び主婦等を含む。

上の折れ線グラフから、修士課程に入学する社会人の割合は、2003年から2016年までほぼ10%前後で横ばいです。でも、博士課程に入学する社会人の割合は2003年から2016年までで、ほぼ倍増します。

その結果、2016年には、社会人経験のある学生と社会人経験のない学生の入学者数の比が 4:6 です。これほど、社会人経験のある学生の割合が多いのであれば、博士課程に在籍している学生の年齢層が修士課程に在籍している学生の年齢層よりグッと高くなったという私の印象、間違っていないようです。


それにしても、2016年には博士課程で、社会人経験のある学生(以下、社会人学生)と社会人経験のない学生(以下、一般の学生)の比が

社会人学生:一般の学生 = 4 : 6

です。これは、すごいことですね。このまま推移すると

社会人学生:一般の学生 = 5 : 5

になる日も、そう遠くないかもしれません。

ただし、このような現象は、一般の学生が修士課程修了後、博士課程に進学しないから起きているとも思えます。そこで、博士課程に入学する社会人学生と一般の学生の人数の推移を確認してみましょう。


博士課程に入学する社会人学生と一般の学生の推移

社会人学生と一般の学生の入学者人数の推移を確認すると、以下のような棒グラフになります。参照元データは、上記の文部科学省のウェブサイトに掲示されている 表3-2-4 です。また、データの範囲は、2003年から2016年までです。

社会人大学院入学者数の推移(博士課程)を示した棒グラフ

上の棒グラフから、博士課程に入学する社会人学生の人数が徐々に増えていることがわかります。むしろ、一般の学生の人数が減っているともいえそうです。もしかしたら、一般の学生は博士課程に進学せず、就職する傾向が強まっているのかもしれませんね。

博士課程に在籍している学生の年齢層が
修士課程に在籍している学生の年齢層より、グッと高くなった!

という私の印象、やはり間違っていなかったようです。


上記の折れ線グラフや棒グラフを見ていると、これから大学院の博士課程を支えていくのは社会人大学院生なのかもしれません。社会人大学院生の皆様、頑張っていきましょう!!!



追加情報

上のグラフですが、エクセルを使って描いています。シンプルで見やすい棒グラフの描き方など、下記の記事で説明しています。
ご興味のある方は、 研究発表で使いたいシンプルな棒グラフ   も、ご覧ください。

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