博士学位論文の審査を受けるまでの日々

博士学位論文審査会までの長い道のりを表した図 修士課程・博士課程
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在学条件、中間報告会、公表学術論文、研究倫理、予備審査…

博士の学位を取得するためには、博士学位論文の審査を受けて合格しなければなりません。

審査に合格すれば博士号取得だね!

ただし、論文審査を受けるまでに、多くの壁があります!

論文を書いて提出すれば審査を受けられる、ってわけじゃないの?

まず、研究している内容が審査レベルに達しているかどうか調べられます。審査レベルに達していると認められれば、論文を書き始めることができます。

詳細は、所属している大学のウェブサイトで確認してください。以下は、早稲田の大学院人間科学研究科のウェブサイト(2024年度)です。

https://www.waseda.jp/fhum/ghum/student/thesis/

私が審査を受けるまでの流れは以下のようなものでした。所属大学や所属年度などによって、博士学位論文の審査過程は異なります。あくまで参考程度にとどめてください。

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博士後期課程に3年以上在学

まず、基本的な条件は「博士後期課程に3年以上在学していて研究指導を受けている」ことです。(例外的なケースはあるかもしれません)

中間報告会

次に、中間報告会です。

「審査してもらう予定の論文の概要」を中間報告会で報告します。

研究内容がどのくらいのレベルに達しているか、博士学位論文を執筆可能なレベルかどうかを、そこで検討されます。

「博士論文を書き始めていいよ!」っていう許可がもらえるわけだね!

なにげに、中間報告会という名称ですが、「報告」だけでなく「質疑応答」ありました…

複数の公表学術論文(原著論文)

また、論文を審査してもらうためには、博士学位論文に関連した内容で、自分が第一著者の公表学術論文を複数もっている必要があります。

公表学術論文を複数? 何それ?

「博士論文と関連する内容の投稿論文を、そこそこ名のある学会誌に、査読を通して複数掲載しといてね。それも、第一著者の論文ね。」 です!

そこそこ?

難易度が高い学会誌であれば、国内の学会誌でも業績として認められます。また、海外の学会誌でも、その学会誌のレベルは、当然、問われます。

単純に、数多くいろんな学会誌に論文が掲載されていればいいというわけではないんだね…

公表学術論文の必要本数は、掲載されている論文誌のレベルで判断されるような印象をもちました。

研究倫理教育の受講

研究倫理教育の講義を受講する必要があります。ただし、これは早稲田大学だけの条件かもしれません。

早稲田以外でも必須なのかなぁ…

研究倫理教育に関しては、受講していればOKでした。もちろん、研究倫理は守りましょうね!

博士学位論文を受理するかどうかの予備審査

ここまでの条件をすべてクリアし、博士論文を執筆することができたら、博士学位論文の審査を大学に申請できます。

そして、予備審査の場で、大学の論文審査員により博士学位論文の審査をするかどうかの検討がなされます。

えっ?また、検討?

検討の結果、受理との連絡がきたら、公開審査会を行う日程や副査等の具体的な話を進めることができます。

やっと、博士学位論文審査会の開催だね!

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博士学位論文を審査する会

いよいよ、博士学位論文の審査会です。

事前に、主査や副査を引き受けてくださった教授等に、審査していただく論文を渡しておきます。

審査会は公開された状態で開催されます。そのため、発表後に行われる質疑応答の時間には、主査や副査だけでなく、多くの人から多様な質問がとんできます。

博士学位論文の審査は、卒業論文や修士論文の口頭試問などとは別次元に厳しかったです。

私は、質問されるであろう内容を、ある程度、想定してから審査会に臨みました。でも、想定外の質問がたくさんあり、けっこう焦りました。

博士学位論文審査会は、まさにラスボスだね!

人間科学交流会

2022年度以降入学者には、以下の条件が追加されていました。

人間総合研究センターが主催する「人間科学交流会」(Current Topics in Human Sciences )に参加して、8回以上コメントシートを記入

こういう〇〇のために必要な条件って、なぜか、少しづつ増えていくよね…

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まとめ

博士の学位を取得するためには、博士学位論文の審査に合格しなければなりません。とはいえ、審査を受ける以前に、倒さなければならない壁がたくさんありました。

博士学位論文審査会までの長い道のりを表した図

私の場合は、以下のような壁でした。

・博士後期課程に3年以上在学
・中間報告会で研究状況の報告
・複数の公表学術論文(原著論文)
・研究倫理教育の受講
・博士学位論文受理の審査


博士号取得までの道のりは、想像以上に大変でした。でも、博士学位論文審査会、それ自体はすごく楽しかったです!!

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