パラグラフ・ライティングとトピック・センテンス
パラグラフ・ライティングは、論理的な文章を書くときに利用するライティング技術です。そのため、欧米では、学校でパラグラフ・ライティングの技術を教えます。論理的な文章には読んでいる人を納得させる力がありますから、ビジネス場面でも利用できます。ぜひ、身につけましょう!
パラグラフ・ライティングの基本は、こちらで説明しています。

ここでは、トピック・センテンスに焦点をあてて説明します。
トピック・センテンスは、パラグラフの冒頭に置きます。トピック・センテンスを冒頭に置いて、これから記述する内容の要約を示しておくと、そのあとに続くパラグラフの内容を明確にできます。

でも、言いたいことをまとめた文って、ふつう、最後に書きませんか?
書き手の立場になると、パラグラフで言いたいことを示してから内容をまとめる方が簡単です。でも、読み手の立場になると、パラグラフに書かれている内容を読む前に、まず、そこに書かれている内容を簡潔に示してくれた方が読みやすいです。
冒頭にトピック・センテンスを置くことに苦手意識を持つ人は多いですが、トピック・センテンスはパラグラフの冒頭に置きます。そして、パラグラフで記述する内容を簡潔に1文で要約しましょう。
トピック・センテンスとは?
トピック・センテンスとは、パラグラフの冒頭にそのパラグラフで言いたい内容を簡潔にまとめた1文です。
トピック・センテンスはパラグラフの冒頭に書く
トピック・センテンスをパラグラフの冒頭に書くことは、読む人への配慮です。
【書き手の立場】
書き手の立場になると、パラグラフで書く内容を1文にまとめる作業は、パラグラフを書き終えたあとに行う方が簡単です。最後に書く方が、思考の流れにそって書いてきた内容をまとめるだけですみます。
書き手は、トピック・センテンスをパラグラフの最後に書きたいわけです。
【読み手の立場】
読み手の立場になると、これから読むパラグラフの内容を、まず最初に簡潔に説明してくれた方が助かります。なぜなら、これから書かれているであろう内容をある程度予測しながら文章を読み進めることができるからです。
読み手は、トピック・センテンスをパラグラフの冒頭で読みたいわけです。
読んでいる人を納得させる論理的な文章を書くのであれば、トピック・センテンスはパラグラフの冒頭に書きましょう。読み手の立場になることが大切です。
トピック・センテンスは簡潔に1文で書く
パラグラフの記述内容をトピック・センテンスで簡潔に1文でまとめます。
パラグラフとは「1つのトピックについて記述した文の集合」ですから、パラグラフで記述した内容は1つの文に簡潔にまとめることができます。
【パラグラフ内で複数のトピックについて記述していたら?】
もしも、パラグラフ内で複数のトピックについて記述していたら、トピック・センテンスを簡潔に1文でまとめることが難しくなります。簡潔に1文でまとめることができないとしたら、そのパラグラフが1つのトピックについて記述した文の集合になっていない可能性があります。

パラグラフの記述内容を見直しましょう。
【パラグラフ内で1つのトピックについて記述していたら?】
トピック・センテンスを簡潔に1文で書くことができます。簡潔に1文にまとめることができるということは、そのパラグラフが1つのトピックについて記述した文の集合になっているということです。

パラグラフ・ライティングができていることが確認できました。
パラグラフ・ライティングができているかどうかチェックするためにも、トピック・センテンスは簡潔に1文で書くことが大切です。
以下では、トピック・センテンスとコンクルーディング・センテンスの関係について説明します。
トピック・センテンスとコンクルーディング・センテンス
コンクルーディング・センテンスは、パラグラフで記述した内容をまとめた文です。そのため、コンクルーディング・センテンスで記述する内容は、トピック・センテンスで記述した内容とほぼ同じになります。

同じ内容なら、書かなくてもいいのでは?
コンクルーディング・センテンスをパラグラフの最後に書くことには、次のようなメリットがあります。
コンクルーディング・センテンスを書いてトピックを強調する
パラグラフ・ライティングは論理的な文章を書いて、読み手を納得させるライティング方法です。つまり、パラグラフ・ライティングの目的は読み手を納得させることです。
パラグラフで伝えたいトピックをコンクルーディング・センテンスに再度書くことにより、トピックを強調することができます。トピックを強調することによって、読み手を納得させるわけです。

納得させるために、だめ押しするんだね!
コンクルーディング・センテンスはトピック・センテンスとほぼ同じ内容になりますが、トピックを強調するために記述しましょう。
コンクルーディング・センテンスでトピックが1つであることを確認する
トピック・センテンスとほぼ同じ内容となるコンクルーディング・センテンスを書くことによって、パラグラフ内で書かれているトピックが1つであることを確認できます。
もしも、コンクルーディング・センテンスとトピック・センテンスの記述内容がずれてしまったら、パラグラフが1つのトピックについて記述した文の集合になっていない可能性があります。そのようなときは、パラグラフ内で記述している内容を見直しましょう。トピック・センテンスとずれたサポート・センテンスがあれば削除したり、別のパラグラフを作成するなどの対応をしましょう。
サポート・センテンスについては、こちらで説明しています。

コンクルーディング・センテンスを書くことによって、サポート・センテンスが適切に書かれているかどうかチェックすることができます。
パラグラフ・ライティングの決まりがしっかり守られていると、コンクルーディング・センテンスの記述内容はトピック・センテンスの記述内容とほぼ同じになりますが、コンクルーディング・センテンスをパラグラフの最後に記述することをお勧めします。
まとめ
パラグラフ・ライティングは論理的な文章を書いて、読み手を納得させるライティング方法です。読んでいる人を納得させるライティング方法ですから、論文を執筆するときだけではなくビジネスの場面でも役立ちます。
ここでは、パラグラフ・ライティングのなかでも苦手意識を持ちやすいトピック・センテンスに焦点をあてて説明しました。トピック・センテンスをパラグラフの冒頭に書くと、読んでいる人を納得させやすい文章になります。また、トピック・センテンスを簡潔に1文で書くことによって「パラグラフが1つのトピックについて記述した文の集合」になっているか、チェックすることもできます。
さらに、コンクルーディング・センテンスをパラグラフの最後に記述すると、トピックを強調したり、サポート・センテンスが適切に書かれているかチェックすることができます。
パラグラフ・ライティングの技術を、早いうちに身につけておくことをお勧めします。

文字を綴る作業って、それ自体は簡単かもしれません。でも、読み手を納得させる文章を書こうと思うと大変ですよね!