まずは自分の主張、それを伝えるために序論・本論・結論で書く!
自分の意見を論理的に他者に伝えるための文章、いわゆる「論文」は、序論・本論・結論の構成で書きます。
とはいえ、序論・本論・結論の構成で書けば「論文になる」というわけではありません。序論・本論・結論の構成は論理的な文章を書くことに向いています。でも、大事なことは、他者に伝えたい自分の意見を明確に記述することです。

形も大事ですが、やはり中身が大事です!

たしかに、伝えたい自分の意見がない状態で論文書いても仕方ないね…
「論文」とよぶためには、そこに自分の意見が書かれている必要があります。たとえば、自分の意見が書かれていない報告書のような類の文章は論文ではありません。

論文と報告書は違うってことだ!
論文は、自分の意見、つまり、何かしらの主張をし、その主張を他者に納得してもらうために書きます。でも、報告書の場合は、見聞した事柄そのものを正確に報告することが重要です。

報告書では、報告それ自体がメインになるけど、論文はあくまで自分の意見がメインなんだね!
序論・本論・結論で意見を主張し、読み手を納得させる
論文
論文は、ある事柄について報告する文章ではなく、ある事柄について主張して読み手を納得させる文章です。たとえば、次のような文章です。
論文形式の文章とは、主張、根拠、結論が明確に書かれた文章である。
以下、Xが、論文形式の文章であるかどうか検討する。
Xには、〇〇という主張が明確に示されている。
Xには、〇〇という主張の根拠が明確に示されている。
Xには、〇〇という主張に対する結論が明確に示されている。
検討の結果、Xは論文形式の文章といえる。

なんだか、当たり前のことを言ってるような気がする…

でも、当然のことだなと納得させられてしまいます!
つまり、上記のような書き方をすると読み手を納得させることができるわけです。
② 本論で主張を支える根拠を明確に示す
③ 結論で主張に対する結果を明確に示す

う〜〜〜ん、なんか、ちょっと騙されてるような感じもする…じゃぁ、論文形式でない文章はどんな感じなの?
意見の主張がない文章
報告書
一般的に、報告書では、まず、いつ、どこで行われたか、また、誰が参加したかを書きます。それに続いて、報告する内容を簡潔にまとめた文章などを書きます。そして、報告すべき具体的な内容を書いていきます。また、最後に、報告内容全体のまとめをするとわかりやすいです。

序論で自分の意見を明確に記述する論文とは異なりますね!

でも、序論と本論と結論があるように見えなくもない…

たしかに、A までが序論で、a1, a2 , a3 が本論で、A’ が結論ぽい!
でも、A で書かれている概要は、報告する内容を簡潔な文章で示しているだけで、自分の主張を書いているわけではありません。a1, a2, a3 も、報告内容を列挙しているだけです。A’ も何かしらの主張に対する結果(答え)ではありません。
報告書は、あくまで、見聞した事柄そのものを正確に報告することが重要な文章です。
論文を読んで書き方のコツをつかむ
論文の書き方を身につけることは簡単ではありません。まずは、論文を読みながら書き方のコツをつかんでいきましょう。論文を読んでいて「読みやすいな!」と感じる文章があったら、その論文の書き方を確認します。

どんな書き方をしているか探るんだね!
たとえば、論文を読みながら
・テーマA の 背景B はどのように書かれているか
・テーマA について言いたいこと、つまり、主張C はどのように書かれているか
・主張C に対する根拠が、どこにどのように書かれているか
・言いたかったこと、つまり、主張の結果は何か
などを確認します。

これらがきちんと書かれている文章は、論理の流れがわかりやすいはずです!

きちんと書かれていない論文とかありそう…

シッ!静かにしましょうね…
まずは、論文を書く前に、多くの論文を読みながら論文の書き方のコツをつかんでいきましょう。
まとめ
自分の意見を論理的に他者に伝えるために書く文章「論文」は、序論・本論・結論の構成で書きます。序論部分で自分の意見を明確に示し、本論部分で読み手を納得させる根拠を書き、結論部分で結果(答え)をまとめます。
序論・本論・結論の構成で文章を書きさえすれば論文になるわけではありません。論文の書き方を身につけることは簡単ではありません。論文を書く前に、まずは多くの論文を読んで、論文の書き方のコツをつかんでおきましょう。

「意見を主張する文章を書け」と急にいわれても困りますよね・・・自分の場合、「論文なんてどう書けばいいの?」としばらく途方にくれました。