統計データをダウンロードしてグラフを描いてみた!
卒業論文や修士論文など、何かを主張するために書く文章では主張の根拠を示す必要があります。そのようなとき、公的機関で公開されている統計データを利用する方法があります。
統計データをどうやって利用するの?
官公庁や地方自治体が公開している統計データを探し、そのデータをダウンロードします!
ウェブサイト上に公開されている統計データ
ウェブサイト上に公開されている統計データの中には、ダウンロード可能なものもあります。オリジナルのグラフを描画したいときは、加工前の生の統計データを手に入れましょう。
無料で使えるの?
e-stat(日本の統計が閲覧できる政府統計ポータルサイト)の統計データは、無料で使えます!
e-statは日本の統計データを閲覧することができる政府の統計ポータルサイトです。ここでは、公的な統計データを無料で入手できます。また、各省庁が提供している統計サイトへのリンク集も載っています。
以下、「スマートフォン保有者と携帯電話の保有者の割合」のグラフを描くためのデータをe-statからダウンロードし、グラフを描画しています。
e-statの統計データをダウンロード
e-statは政府統計の総合窓口で、各省庁などが公表した統計データが揃えられています。非常に多くの資料を閲覧して手に入れることができます。
ただし、非常に多くの資料が閲覧可能なため、逆に、必要な資料を見つけ出す作業が大変です。まずは、e-statにどのような統計データがあるか把握することをお勧めします。
さて、ここでは
年代別の、スマートフォン保有者と携帯電話(PHSを含む)の保有者の割合の変化を確認する
ために、総務省の通信利用動向調査の統計データを探してみましょう。
必要なデータを、e-statで探すと
政府統計名: 通信利用動向調査
提供統計名: 平成29年通信利用動向調査
提供分類1 : 世帯構成員編
がありました。
そこで、総務省の通信利用動向調査の統計データのデータセットをクリックします。
クリックすると、以下のようなデータセットが参照できますので、表番号8の「保有するモバイル端末(2017年調査)のCSVデータ」をダウンロードします。
表番号8の CSV をクリックすると「 保有するモバイル端末」の統計データをダウンロードできます。適切なCSVデータさえ手に入れることができれば、あとは、データを整理してグラフを描くだけです。
CSVデータをダウンロードしたら、そのCSVデータを開きます。
ダウンロードした統計データの整理
ダウンロードした統計データ「保有するモバイル端末」はCSVデータですが、Excelで開くと統計データの中身を確認することができます。
出典:総務省 通信利用動向調査 平成29年通信利用動向調査結果
注: 出典は必ず書きましょう
ダウンロードした統計データから、グラフを描くために必要な部分をピックアップしていきましょう。
今回は、「年代別のスマートフォン保有者と携帯電話(PHSを含む)保有者の割合を確認する」ことですから、上記の表の黄色く塗りつぶした部分
・6〜12歳、13〜19歳、20〜29歳、30〜39歳、40〜49歳、50〜59歳、60〜69歳、70〜79歳、80歳以上の男女計のデータ
・携帯電話(PHSを含む) とスマートフォンのデータ
をピックアップします。ピックアップ後、表のレイアウトを整理してグラフを描画しましょう。
整理した統計データを使ってグラフを描画
統計データから必要部分をピックアップして表のレイアウトを整理することができたら、Excelでグラフを描画します。
まず、年代別の「スマートフォン保有者の割合」を棒グラフにすると以下のようになります。
注: 統計データを加工したと必ず書き添えます
次に、年代別の「携帯電話(PHSを含む)の保有者の割合」を棒グラフにします。
注: 統計データを加工したと必ず書き添えます
グラフを描くと、スマートフォン保有者と携帯電話(PHSを含む)の保有者の割合が、年代が上がるにつれて逆転していく様子がわかります。
よりわかりやすくなるよう「スマートフォン保有者と携帯電話(PHSを含む)の保有者の割合」を一つのグラフにまとめてみました。
注: 統計データを加工したと必ず書き添えます
年代が上がるにつれて割合が逆転していく様子が、直感的に理解できますね!
60代で、スマートフォン保有者と携帯電話の保有者の割合が逆転するんだね!
このように、グラフを描くと、数字だけではわからなかった特徴が直感的にわかるようになります。
これで、e-statのデータセット
政府統計名: 通信利用動向調査
提供統計名: 平成29年通信利用動向調査
提供分類1 : 世帯構成員編
にある統計データ「保有するモバイル端末」を使って、「60代でスマートフォン保有者と携帯電話の保有者の割合が逆転する」ことがわかるオリジナルのグラフを描くことができました。
まとめ
卒業論文や修士論文など、何かを主張するために書く文章では主張の根拠を示す必要があります。そのようなときに、公的機関で公開している統計データを利用してみましょう。
ここでは、e-stat(日本の統計が閲覧できる政府統計ポータルサイト)の統計データをダウンロードしてグラフを描く方法を紹介しました。
総務省統計局
などにも統計データはあります。何かを主張するときの根拠として、統計データを利用してみましょう。
民間の調査会社や新聞社が独自に調査した統計データを、未加工状態のまま無料で公開することはほとんどありません。未加工状態の生データというものは、実は、とても貴重なものです!