学術誌への論文投稿 査読の流れ
社会人大学院生として大学院に進学して、はじめて 査読 ということばの重みを知りました!
これについては、
でもふれています。
査読 とは
[名](スル)
学術誌に投稿された学術論文を専門家が読み、その内容を査定すること。
出典:デジタル大辞泉(小学館)
です。
つまり、 査読 とは、学術誌に投稿された論文をその分野の専門家が読み、そこに書かれている内容をアレコレ査定することです。
このような 査読 を突破すれば自分が書いた論文は採択され、晴れて学術誌に掲載されます!でも、この 査読 を突破できないと、残念ですが学術誌に掲載してもらえません。
学術誌に自分の論文が採択されるか採択されないかは、自分の研究の評価と密接に関わっていきます。そのため、学術の世界では 査読 ということばにとても重みがあります。
以下は、私が論文を学会誌に投稿し、その論文が採択されたときの 査読 の流れです。専門分野や学会ごとに多少違いはあると思いますが、一般的な流れは以下のようなものだと思います。
査読の流れ
下の図は、論文を投稿してから論文が公開されるまでの流れを示しています。
上の図で示したように、査読は、編集委員が依頼した査読者によって行われることになります。論文著者と査読者のあいだに編集委員が入りますから、論文著者は査読者が誰であるかがわかりません。また、査読者は2名のときが多いようですが、私は、査読者1名のときもありました。
さて、ここで重要となるのが査読結果です!
一般的に、査読結果は
【accept】 論文をそのまま受理します。 *(OK!何も修正しなくていいよ!論文をこのまま受け付けるよ!) 【minor revision】 若干、修正の必要があります。 正しく修正されれば受理します。 *(ちょっと修正する箇所あるから指摘するね!指摘にきちんと対応してくれれば論文受付けるよ!) 【major revision】 大幅な修正の必要があります。 著者による修正後、再度査読しますが、修正後の査読次第で結果は変わります。 *(いっぱい修正箇所指摘しといたから、頑張って修正してね。 うまくいけばacceptの可能性あるけど、下手したらrejectだよ!) 【reject】 掲載を拒否します。 *(バイバイ!またね!ご検討をお祈り致します!)
の4パターンです。
注、上記 *( )は、私の意訳です!
査読結果が一発で【accept】の場合もあるようですが、実際、そのようなケースは少ないでしょう。また、査読結果が【reject】の場合は、ここで終了です。
著者の頑張り次第で【accept】か【reject】か、大きく結果が変わることになるケースが、【minor revision】と【major revision】、つまり、査読結果が 要修正 になったときです。この 要修正 には、大きく二つのパターンがあります。
要修正 ①【minor revision】
マイナーリビジョンとは、文字通り、それほど重大ではないが修正箇所があるという査読結果です。マイナーリビジョンの場合は、査読者の指摘に沿って丁寧に修正していきましょう。
その後、修正した論文を、再度、投稿します!
要修正 ②【major revision】
メジャーリビジョンは、文字通り、重大な修正箇所があるという査読結果です。この場合は、論文修正に時間をかなりとられることになります。
メジャーリビジョンの場合、おそらく、投稿した論文に多くの指摘がなされているはずです。また、投稿した論文の根幹に関わるような深い指摘もあるでしょう。
このような、多くの深い指摘に対応することは大変です。しかし、査読者からの指摘にきちんと対応することができたら、論文が採択される可能性があります。ここは、腹を据えて自分の論文を修正しましょう。さらに、何か足りない部分があれば補筆もしましょう。
その後、修正した論文を、再度、投稿します!
学術誌に投稿した論文の査読結果が 要修正 の場合、修正には時間がかかります。でも、査読者に指摘された箇所を修正したり、また、足りない部分を補筆したりすれば、論文が採択される可能性があります。ここは、腹を据えて頑張るしかありませんね!
また、私が論文投稿した学会では
オンライン投稿審査システム Editorial Manager
を利用していました。
そのため、論文の査読に関するやりとりは、インターネット上ですべて行うことができました!社会人大学院生としては、とても助かるシステムだと思います。