博士課程は論文を書くところだった!
大学院の修士課程修了が見えてきたとき、博士課程に進学したくなりました。
修士課程で進めていた研究を、もう少し深掘りしたかったからです。
でも、いざ進学してみたら、博士課程は修士課程とは異なる環境でした。

同じ大学院なのに?
博士課程に進学すると、講義を受けて何かを教えてもらうという機会は、ほとんどなくなります。
逆に、学部や修士の学生を指導する機会をもつようになります。

指導される側から指導する側へ変わっていく印象?
また、博士号を取得して博士課程を修了するためには、自分の研究内容を論文にまとめて学会誌に投稿し、掲載される必要があります。
そのため、論文の執筆作業に追われます。

想像していた生活とはちょっと違ったんだね…
以下は、社会人大学院生という立場で私が感じた、修士課程と博士課程の違いです。
修士課程
大学院の修士課程では、学部時代よりも専門的なことを学びます。
とはいえ、講義を受講して学期末にレポートを提出するなど、学びの形それ自体は学部時代とあまり変わりません。
研究活動に関しても、学部時代より専門性は上がりますが、研究室の教官や先輩から指導を受けることができます。
もちろん、修士論文の執筆は卒業論文の執筆よりも大変ですが、論文の書き方なども指導してもらえます。

修士課程には若者も多く在籍していて、一般企業への就職活動もしていました!

修士課程は、フツーの学生生活のイメージだね!
大学院の修士課程は、基本的に学部時代とあまり変わりませんでした。
博士課程
博士課程に進学してみると、大学内で講義を受けて単位を取得するような学びはなくなります。
その代わり、研究室の運営に携わったり、学部生や修士の学生たちにアドバイスをしたりする機会が増えます。
研究室内で指導教員や他の大学院生とディスカッションをしながら、自分の研究を進めることはできますが、より深く進めていくためには大学外の研究者と交流する必要もあります。

つまり、博士課程は、指導される学生という立場から指導する側の立場に変わり、また、活動範囲も大学内から大学外へと広がります。

社会人生活を送りながら「これ、できる?」と、正直、戸惑いました!
学会誌への論文投稿
さらに、博士の学位を取るために「新規性のある論文を書き、それが学会誌に掲載される必要がある」という壁に直面します。

よく調べもせず、博士課程に進学した自分がダメダメなのですが…
とにかく、それなりの学会誌(ココ、重要!)に論文を掲載してもらうためには、かなり質の高い論文を書かなければなりません。
なぜなら「新規性」が必要だからです。

新規性?

自分の研究には、学術的に「新しくわかったことがある」ということです!
言いかえると、自分の研究について教えてくれる人(すでに知っている人)はいないということです。

もしも、知っている人がいたら「新規性」がないわけですから…

たしかに、それは大変そうだ!
社会人生活を送りながら、学会誌への投稿論文を執筆する作業は本当に大変でした。

でも、結局、博士の学位は取ったんだよね?

最後は、意地です!
博士課程に進学して直面した「新規性のある論文を書き、それが学会誌に掲載される必要がある」というハードルは、博士論文の執筆より(実は、博士論文の執筆自体はすごく楽しかったのです!)かなり高いものでした。
まとめ
博士課程に進学してみて、博士課程と修士課程は全然違うことに気づきました。
修士課程では、学部時代よりも専門的なことを学びますが、学び方それ自体は学部時代とあまり変わりません。
でも、大学院の博士課程になると、講義を受けるような学び方はなくなります。
また、大学外での研究業績を積み上げる必要があります。
そのため、学会や研究会に参加したり、学会誌に論文を投稿したりする作業に追われます。
無事に博士号を取得できたので、進学したこと自体に後悔はしていません。
でも、少々無謀な挑戦だったかなと思っています。


研究すること、それ自体は、すごく楽しかったです!
