エクセルで描画したグラフを加工するコツ!
学会での研究発表などで使うスライドはシンプルを心がけましょう。大量のテキストで埋め尽くされたスライドからは、真に伝えたい内容は伝わりません。
グラフなどの図を使うときもシンプルを心がけましょう。そのためには、グラフに余計な装飾などはせず、伝えたい情報だけに絞ることが大切です。
このあたりのことは下記の記事でも説明しています。ご興味のある方は、ご覧ください。
・棒グラフ:研究発表で使いたいシンプルな棒グラフ ・円グラフ:研究発表で使いたい、発表意図が伝わる円グラフ ・折れ線グラフ:シンプルで見やすい折れ線グラフ ・散布図: 研究の場で描く機会が多い散布図
さて、今回は、シンプルな棒グラフをエクセルで描いた上で、その棒グラフに伝えたい情報を書き足していくコツを説明します。
以下では、ExcelとPowerPoint(Microsoft Office for Mac 2011)を使って描画しています。
今回、棒グラフを使って伝えたいこと、つまりグラフの描画目的は、以下の3点とします。
グラフの描画目的
この3点の描画目的を満たしたグラフをエクセルとパワーポイントを使って描いてみました。以下のようなグラフになります。
(データはオリコンランキングを使用)
上記の描画目的 ①から③ の順に、グラフの描き方を説明していきます。
① SMAPの「世界に一つだけの花」のCD売上げは突出!
これは、「世界に一つだけの花」の要素を赤く塗りつぶして目立たせればOKですね。
まずは
します。ここまでは簡単です。
さらに、ここでは
しましょう。
なぜなら、エクセルの棒グラフの幅は基本的に狭いです。
棒グラフの幅が狭いと、せっかく強調したいデータも貧相な印象になってしまいます。
よって、棒グラフの幅を広げましょう!
ただし、この棒グラフの幅を広げる方法、少しわかりにくいです。
グラフの幅を広げる→グラフ同士の間隔を狭める という処理を行わなければならないので、数値の増減のイメージが棒グラフの幅の増減と逆になっています。
つまり、数値を小さくすると隣接するグラフ同士の間隔が狭くなります。そうすると、棒グラフ自体の幅は広がります。逆に、数値を大きくすると隣接するグラフ同士の間隔が広くなります。そうすると、棒グラフ自体の幅は狭まります。
注意しましょう!
ここでは、[データ系列の書式設定]のオプションで、150%を50%に変更しました。
これで、描画目的の ① は達成されました!
② SMAPのメンバーは6人から5人に減ったが、そのときCDの売上げは特に変化してない!
ここからは、エクセルではなくパワーポイントを使います。パワーポイントを使ってアレコレ加工する方が簡単だからです。
エクセルで描いたグラフをパワーポイントにコピペしましょう!
そこに、伝えたい情報を書き足していきます。
SMAPメンバーが6人から5人に減ったことを、6人時代と5人時代に分け、グラフの背景色を変えて表現していきます。
まず
そして
だけです。
さらにわかりやすくするため、グラフの上に ←→ を描き、「6人時代」と「5人時代」とテキストボックスで説明を書き加えています。
これで、描画目的の②が達成されました!
③ SMAPは1991年から2000年の10年間に発売したCDは多いが、2001年から2010年は一気に減少!
発売されたCDシングルの曲数を、←→ の幅の長短で表現します。
1991年〜2000年
2001年〜2010年
という同じ10年間にもかかわらず、←→ の幅が違います。
発売されたCDシングルの曲数の多少が 、←→ の幅の長短で表現されています。
これで、描画目的の③が達成されました!
研究発表等で使用するグラフは、直感的に伝えたい情報がわかるよう工夫する必要があります。エクセルでグラフを描画してから、パワーポイントを使ってグラフを加工すると、シンプルで伝わりやすいグラフを描くことができます。
エクセルやパワーポイントなど、Microsoft Officeに慣れている社会人大学院生にはお勧めの方法だと思います!