論文形式の文章を書くときは、パラグラフ・ライティングがお勧め
パラグラフ・ライティングは、卒業論文のような論文形式の文章に向いたライティング方法です。
英語圏に由来するパラグラフ・ライティングという文章の書き方は、耳慣れないかもしれません。でも、パラグラフ・ライティングは、卒業論文など論文形式の文章を書くときに有効です。
パラグラフってことは、段落で書くってこと?
パラグラフと段落の見た目は似ていますが、パラグラフは段落よりも扱いが厳密です!
段落よりも厳密なため、パラグラフ・ライティングは論文形式の文章に向いています。
パラグラフ・ライティングのパラグラフとは?
まずは、パラグラフと段落の違いを確認しましょう。
パラグラフは、1つのトピック(話題)について記述した文の集合
パラグラフとは、ある1つのトピック(話題)について記述した文の集合です。そのため
・1つのパラグラフの中では、1つのトピック(話題)に関してのみ記述する
・トピック(話題)を変えるときには、必ずパラグラフを変える
・トピック(話題)が変わらないのであれば、パラグラフは変えない
ことに注意しましょう。
1つのパラグラフの中では1つの文しか書けないってこと?
いえ、1つの文ではなくて、1つのトピック(話題)です。文章が複数あっても大丈夫です!
パラグラフ内では、1つのトピック(話題)についてのみ扱います。その厳密さが、段落とは異なる点です。
たとえば、「同じトピック(話題)についてかなり長く書いてしまったから、この辺りでパラグラフを変えよう!」とか「違うトピック(話題)になるけど、いい考えを思いついたからパラグラフを変えずに書き進めよう!」などの理由で、パラグラフを分けたり繋げたりしません。
パラグラフは、ある1つのトピック(話題)について記述した文の集合体です。長いか短いか、筆が進むかどうかなどという理由で、分けたり繋げたりしてはならないのです。
見た目は段落と似ていますが、中身は違います。1つのパラグラフ内には、1つのトピック(話題)に関することだけ書きましょう!
パラグラフ・ライティングの具体的なイメージ
下図で示したように、パラグラフの見た目は、いわゆる段落と同じです。でも、赤線部分のトピック・センテンスで、パラグラフに書くトピック(話題)を限定します。
トピック・センテンスの詳細は、以下で説明しています。
ここでは、3つのトピック(話題)について記述するときを例にあげて、説明します。
3つのトピック(話題)について述べるときのパラグラフは、3つになります。
厳密さの乏しい段落とは異なり、パラグラフ①、パラグラフ②、パラグラフ③で述べられているトピック(話題)は、それぞれ重複することなく独立しています。1つのパラグラフの中では1つのトピック(話題)についてのみ書きます。
形式的に、字下げをして段落を分けているわけではないんだね!
各パラグラフ内で述べられている内容が重複しない(独立している)こと、ここが重要です!
ですから、トピック(話題)を変えるときには、必ずパラグラフを変えます。また、トピック(話題)が変わらないのであればパラグラフは変えません。
上記の、パラグラフ①とパラグラフ②はトピック(話題)が混在しているため、パラグラフ・ライティングされていないことになります。
実際に、パラグラフ内に記述するトピック(話題)を厳密に分けようとすると、なかなか難しいことに気づくと思います。ぜひ、挑戦してみてください!
また、パラグラフ・ライティングに興味のある方は、こちらもどうぞ!
まとめ
パラグラフ・ライティングは、論文形式の文章に向いているライティング方法です。卒業論文など、論理的な文章を書くときに活用しましょう。
パラグラフは段落と見た目は似ていますが、パラグラフ内に書く内容の扱いが段落より厳密なことに注意します。
・1つのパラグラフの中では、1つのトピック(話題)に関してのみ記述する
・トピック(話題)を変えるときには、必ずパラグラフを変える
・トピック(話題)が変わらないのであれば、パラグラフは変えない
パラグラフ・ライティングを身につけておくと、ビジネス場面でもきっと役立ちますよ!
書籍の紹介
大学の図書館には、パラグラフ・ライティングについて詳しく書かれている本が置かれているはずです。探してみてください。
ただし、本をゆっくり読む時間がないときは、以下の本、新書で手軽に読むことができます。
加藤恭子、ヴァネッサ・ハーディ(1998)『英語小論文の書き方 英語のロジック・日本語のロジック』講談社
「日本人の書くものは、エッセイにしろ論文にしろ、”雲”。ふわふわとつかみどころがない」と、なかなか辛辣なセリフがでてきますが、パラグラフ・ライティングのイメージをつかむのに適した本だと思います。
パラグラフ・ライティングで論文を書いておくと、文章をあとから修正するときにラクですよ!