自分で決めたテーマに自分で問いを立てるのが卒業論文
研究分野にもよりますが、卒業論文は、自分で「〇〇について」などという論文のテーマを決め、そのテーマについて問いを立て、その問いについて論じていきます。
なんか、よくわからない!
たとえば、学期末などに取り組むレポート課題などは、自分でテーマを決める必要がありません。レポート課題のテーマは、担当教員によって決められているからです。
たしかに、「〇〇について書け」って指定されるね!
でも、卒業論文では「〇〇について」というテーマから、自分で決める必要があります。さらに、そのテーマについて問いを立てる必要もあります。
「問いを立てる」って大変なことなの?
論文では、問いや答えに独自性や新規性が求められます。そのため、問いを立てる作業は大変です!
ここでは、まず、レポート課題を例に挙げながら説明していきます。
レポートの種類と難易度
レポート課題にはどのようなものがあるか、確認してみましょう。
レポートにはどんな種類があるでしょうか?
レポートの種類?
たとえば、レポートには以下のようなパターンが考えられます。
①「〇〇についてまとめましょう。参考とする資料は△△です。」
②「〇〇について調べて、その結果をまとめましょう。」
③「〇〇について、何がメリットで何がデメリットか考察しましょう。」
④「〇〇について論じましょう。」
いずれも、レポートのテーマは与えられていますが、レポートの難しさには差があります。
①「〇〇についてまとめましょう。参考とする資料は△△です。」
①は、〇〇というレポートのテーマが与えられています。しかも、レポートを書くために参考とする資料も示されています。指示された資料を参考にしてレポートを書けばいいだけですから、難易度はかなり低いです。
②「〇〇について調べて、その結果をまとめましょう。」
②は、①と同様、〇〇というレポートのテーマが与えられています。ただし、①と異なり、参考とする資料が指定されていません。そのため、資料探しから始める必要があります。①より難易度が少し上がります。
③「〇〇について、何がメリットで何がデメリットか考察しましょう。」
③も、①、②と同様、〇〇というレポートのテーマは与えられています。ただし、②と同様に、参考とする資料は自分で探さなければなりません。さらに、参考とする資料をもとに、〇〇に関するメリットとデメリットについて考察する必要があります。つまり、③は②と異なり、何かしらの根拠を示しつつ論じる必要があります。そのため、かなり難易度が上がります。
④「〇〇について論じましょう。」
④も、①、②、③と同様、〇〇というレポートのテーマは与えられています。ただし、③と異なり、どのような視点で論じていくかという指示がありません。つまり、論じる視点を自分で見つけ出す必要があります。参考とする資料も、論じる視点も提示されていないため、難易度は一気に上がります。
このように、レポートの課題の出し方によって、レポート課題に取り組む難しさに差が出ます。
とはいえ、レポート課題では、講義を担当している教員が、レポートのテーマを「〇〇について」などと決めてくれます。また、①のように参考とする資料を教えてくれたり、③のように論じる視点を示してくれることもあります。
でも、卒業論文では「〇〇について」というテーマから自分で決める必要があります。さらに、自分で参考資料を探し、論じる視点を設定する必要もあります。
何を、どう論じていくか、すべて自分で決めなければならないものが卒業論文です。
自分独自の問いを立てるために、先行研究を調べる
卒業論文のテーマを決めたら、そのテーマに対して問いを立てます。そのため、レポートの種類の例④より、さらに難易度が上がります。
「問い」って何?
「〇〇〇の原因を明らかにする」「〇〇〇の効果を検討する」「〇〇〇の解決策を提案する」など、自分で問題を作るイメージかな?
ただし、論文には独自性や新規性が求められます。そのため、自分独自の新たな問いを見つけ出し、それに対する答えを導く必要があります。
独自とか新規とか、どうやって確かめることができるの?
自分で決めたテーマに関連する文献を読み、先行研究を調べます。
先行研究を参考にして、自分独自に新たな問いを立てます。そして、その問いに対する答えを考えます。
卒業論文がレポート課題と比べものにならないほど難しいこと、伝わりましたでしょうか?
卒業論文のテーマが決まったら、そのテーマに関する問いを自分で立て、論じていきます。そのためには、テーマに関連する多くの文献を読み、どのような先行研究が行われているか知る必要があります。
卒業論文の構成
卒業論文は、レポート課題などと比べて、書く分量が桁違いに多いです。そのため、卒業論文は、序論・本論・結論の構成に則って書くようにしましょう。
① 〇〇という自分独自の問いを立てる。その問いを論じるために必要な参考資料を探し、先行研究等を調べてまとめる。
② 問いに対する答えを導くために研究活動を行い、その結果を分析・考察する。
③ 最後に、問いに対する答えを示す。
①が序論、②が本論、③が結論ですね!
これらをすべて書き記したものが卒業論文ですから、レポート課題と比べて書く量が桁違いに多くなります。
たしかに、レポート課題みたいに「4000字程度」「A4用紙2枚」とかに収まりそうにない!
レポート課題ならばステープラーで留まりそうですが、卒業論文をステープラーで留めるのは難しそうですね!
卒業論文は、序論・本論・結論の構成に則って書きましょう。
まとめ
卒業論文はレポート課題などと異なり、「〇〇について」などという卒業論文のテーマから自分で決めなければなりません。
テーマを決めたら、そのテーマに関する問いを自分で立てて論じていきます。論じるためには、テーマに関連する多くの文献を読み、先行研究を調べる必要があります。
また、卒業論文は書く分量が多いですから、序論・本論・結論の構成に則って書きましょう。
問いを立てたり、先行研究を調べたりなど、卒業論文を書くためには多くのことをしなければなりません。さすがに、卒業論文の一夜漬けは無理です!