結論(コンクルージョン)は、バシッと書く
卒業論文や修士論文など論文形式の文章は、序論(イントロダクション)・本論(ボディ)・結論(コンクルージョン)で論文全体を構成します。ここでは、結論(コンクルージョン)の書き方について説明します。
序論(イントロダクション)で「論じる目的」を明確に示し

序論で示した「論じる目的」が達成できるだけの「根拠」を本論(ボディ)で記述してあれば

結論(コンクルージョン)部分では、「論じる目的の結果(答え)」を示すだけです。結論(コンクルージョン)を書くための準備は、序論と本論の執筆で完了しているのです。
何をどのように書けばいいか思い悩んでしまう序論(イントロダクション)や読み手を納得させるために多くの根拠を示さなければならない本論(ボディ)と比べて、結論(コンクルージョン)部分は負荷なく書けるはずです。

ということで、序論で明確にした「論じる目的」に対応する「結果(答え)」をサクッと書いてしまいましょう!
以下、結論(コンクルージョン)の書き方についてです。
序論(イントロダクション)と本論(ボディ)について
まず、序論で論じるテーマ、論じるテーマの重要性、論じる目的「主張」を明確にしました。
そして、本論で、論じる目的を達成すべく「言いたいことの根拠」を積み上げました。
序論部分と本論部分をきちんと記述していれば、結論(コンクルージョン)部分の執筆は簡単です。
結論(コンクルージョン)部分には何を書く?
結論(コンクルージョン)で記述する内容は
・序論で掲げた言いたいこと(論じる目的)の結果
の2点です。序論部分で掲げた言いたいこと(論じる目的)の結果を明確に記述し、その根拠を簡潔に示しましょう。
1. 本論で記述した根拠を簡潔に要約する
本論部分で、読み手を納得させるために、適切な根拠や具体的な根拠を積み上げました。結論部分では、それら根拠を簡潔に要約します。

本論で書いた根拠をまとめる感じ?

結論では、序論で掲げた言いたいこと(目的)に対する答えを書きますので、その答えの根拠を簡潔に示すイメージです。「本論のまとめ」とは異なります。
本論部分には、以下のように多くの根拠が示されています。そのため、結論部分で「本論のまとめ」をしてしまうと長々とした要約になります。そうすると、序論で掲げた言いたいこと(目的)の結果の記述が埋没してしまいます。あくまで、序論で掲げた言いたいこと(目的)の結果の根拠を簡潔に書きます。

「結果をバシッ」と決めるため「根拠をバシッ」と書きます!
2. 序論で掲げた言いたいこと(論じる目的)の結果を示す
序論部分で掲げた言いたいこと(論じる目的)の結果を、結論部分に書きます。論文は、言いたいこと(論じる目的)を達成するために書く文章ですから、論文の最後に、自分が論文で言いたいことの結果を明確に示すことが大切です。
もしも、序論部分で掲げた言いたいこと(論じる目的)の結果が、自分の望んでいた結果と異なってしまっても気にすることはありせん。特に、実験系の研究分野では、自分が望んでいた結果が得られないこともあります。それでも、結果は結果です。仮説が否定されたのであれば、否定されたという結果を書きましょう。それも一つの知見となります。

苦労してたどり着いた結果です。バシッと自信をもって書きましょう!
これで、序論(イントロダクション)、本論(ボディ)に続き、結論(コンクルージョン)部分が書けました。
今後の展望
卒業論文や修士論文などでは、ここまで頑張ってきた研究内容の今後について書くこともできます。特に、修士課程や博士課程への進学を考えている場合は「今後の展望」は重要です。
「今後の展望」に関しては、結論部分と章を分けて書くことをお勧めします。でも、ここまでの研究結果を今後の研究にどう繋いでいくか、その流れを強調したいのであれば結論部分に書いてもいいでしょう。
ただし、「今後の展望」を記述する際は、ここまでの研究結果と今後の展望の記述が混同しないように注意します。「過去」と「未来」は別物ですから、パラグラフを分けましょう。
まとめ
結論(コンクルージョン)に記述する内容は
・序論で掲げた言いたいこと(目的)の結果
の2点です。序論部分で掲げた言いたいこと(論じる目的)の結果を明確に記述し、その根拠を簡潔に示します。
また、今後の展望を結論部分で記述する場合は、パラグラフをきちんと分けることをお勧めします。

これで、論文の本体を書き終えました。お疲れ様でした!
あとは、参考文献リストを忘れないように注意しましょう。参考文献リストをつけ忘れると剽窃疑いになって大変な事態になります!!!