論文を要約するときは、簡潔に問いと答えと根拠をまとめる
卒業論文を書き終えたあと、内容を簡潔にまとめた要約文、アブストラクト(abstract)を作成するように指示されることがあります。
自分が書いた論文を要約するときは、論文全体に書かれている内容を均等に拾い上げるような「あらすじ」作りにならないよう、注意しましょう。
論文を要約するときの注意点
要約はあらすじではない
論文を要約するときは、論文全体に書かれている内容を均等にひろってくるのではなく、問いと答えと根拠 を端的にまとめるようにしましょう。
問い:論文の目的(論文で何を明らかにしようとしているか)
答え:問いに対する答え(問いに対してどのような答えを出したか)
根拠:答えに至った根拠(答えを導き出した根拠はどのようなものか)
論文を要約するときは、問いと答えと根拠 を序論・本論・結論から拾ってきてまとめます。
序論・本論・結論部分から、問いと答えと根拠を探そう
卒業論文などの論文は、序論・本論・結論で文章全体を構成します。
卒業論文全体が序論・本論・結論の構成で書かれていれば、序論に問いが、本論に根拠が、結論に答えが書かれているはずです。
序論・本論・結論のそれぞれの場所を見て、問いと答えと根拠を探せばいいんだね!
序論・本論・結論から、問いと答えと根拠を拾い出し、それを簡潔にまとめます。まとめたものが、要約文になります。
読み手は、要約文を見れば、卒論に書かれている問いと答えと根拠を知ることができます!
でも、卒論を読む前に、要約文で答えまで教えてしまうの?
要約文には答えも書く
論文の要約文には、問いに対する答えも書きます。
起承転結で展開する文章の書き方に慣れるていると、要約文にいきなり答えを書くことにためらうかもしれません。でも、論文を要約する場合は、要約文に答えを書いてしまって構いません。
推理小説ではありえないね!「〇〇の事件が起きて犯人は△△です!根拠は□□です!」って書くようなものでしょ?
たしかに…「こんな事件で、犯人はこの人で、その根拠はこれです」って推理小説を読む前に要約してしまったら、つまらないですね!
でも、論文では「〇〇を解明すると△△であることがわかった。その根拠は□□である。」と、問いと答えと根拠を書きましょう。
おまけ:他者の論文を要約するとき
卒業論文を要約するときと同様、他者の論文を要約するときも、問いと答えと根拠を示しましょう。
・論文の著者は、どのような問いを立てているか
・論文の著者は、その問いにどのように答えているか
・論文の著者は、答えを導き出すためにどのような根拠を示しているか
を簡潔にまとめれば、論文の要約が完成します。
まとめ
卒業論文を要約するときは、論文全体のあらすじを書くのではなく、論文のポイントである問いと答えと根拠を簡潔にまとめましょう。
卒業論文全体が序論・本論・結論の構成で書かれていれば、序論に問いが、本論に根拠が、結論に答えがあるはずです。序論・本論・結論の部分から問いと答えと根拠を拾い出し、それらを簡潔にまとめましょう。
試してみてください!
論文の内容を要約するときは、答え(結論)を気前よくズバッと書いてしまいましょうね!