卒業論文執筆 パラグラフ・ライティング

パラグラフ・ライティングの図

卒業論文執筆 パラグラフ・ライティング

そろそろ卒論執筆の季節ですね。

「卒論執筆なんて、余裕!」
などとのんびり構えていると危険です。提出締切日はアッというまにやってきます。

また、卒論の提出締切日頃は、やらなければならないことがたくさんあります。
そのため、卒論執筆の時間を確保するのも大変になります。
早め早めに、卒論の執筆を進めておきましょう。

また、私は早稲田大学の大学院時代、通学生だけでなく社会人学生の方の論文の書き方指導をしました。社会人学生の方はビジネス文書などを書く機会も多く、文章を書くことに慣れている方も多いです。でも、学術の世界には学術の世界の文章の書き方のルールがあります。卒業論文など、アカデミックな文章を書くときには、ビジネス文書などとは異なるルールにしたがいます。

ここでは、アカデミックな文章の書き方について、通学生だけではなく社会人大学生の方のことも考慮しながらアドバイスをしたいと思います。


卒業論文は パラグラフ・ライティング で書く

まず、卒業論文の全体の構成については、卒業論文執筆へのアドバイス 序論・本論・結論 で説明しました。

注意
(社会人学生の方は、序論・本論・結論 の文章構成を苦手に感じるようです。論文の文章全体の構成は起承転結ではないことに注意しましょう!)

ここでは、卒業論文全体の構成ではなく、より小さい、段落のような単位を想定して、パラグラフ・ライティング について説明したいと思います。


・パラグラフ・ライティング

パラグラフ・ライティング は、論理的な文章を書くために身につけておくべきライティング技能です。ただし、パラグラフ・ライティングという技能、残念ながら日本ではあまり浸透していません。そのため、パラグラフ・ライティングという語句を初めて聞く人も多いと思います。

私自身、パラグラフ・ライティングについて知ったのは、社会人大学院生になってからです。パラグラフ・ライティングは遠い昔に高校や大学で学んだ作文技能とは異なります。そのため、パラグラフ・ライティングに慣れるまで時間がかかります。

最近では、アカデミック・ライティングを教える大学が増えており、パラグラフ・ライティングはアカデミックなライティングをするために、ぜひとも身につけておきたい文章作成技能です。この機会に、パラグラフ・ライティングの技能を身につけてしまいましょう!

では、まず、パラグラフとはどのようなものかを説明します。


いわゆる段落とパラグラフは同じものなのでしょうか?

・パラグラフとは

パラグラフとは、ある1つのトピック(話題)について述べた文の集合のことを指します。
つまり、1つのパラグラフの中では、1つのトピック(話題)に関してのみ述べなければなりません。そのため、トピック(話題)を変えるときには、必ずパラグラフを変えます。また、トピック(話題)が変わらないのであればパラグラフは変えません。

このように、パラグラフは、いわゆる段落とは異なります。
パラグラフは、いわゆる段落よりも書いているトピック(話題)についての扱いが厳密なのです。

たとえば
「ダラダラと同じトピック(話題)について書いてしまっているから、ここらでパラグラフを変えてしまおう!」とか「違うトピック(話題)だけれど、なかなかいいアイデアだからパラグラフを変えずにこのまま書いてしまおう!」
などと、安易にパラグラフを変えたり異なるトピック(話題)について書くことはできません。

パラグラフとは、ある1つのトピック(話題)について述べた文の集合だからです。

パラグラフは、いわゆる段落と見た目は同じです。
でも、パラグラフではトピック(話題)の扱いが厳密であることに注意しましょう!


パラグラフ・ライティングのイメージ

見た目は、いわゆる段落みたいですが、パラグラフではトピック(話題)の扱いが厳密です。このような、パラグラフのイメージを図で表現してみました。

たとえば、以下のように、3つのトピックについて述べたいときには3つのパラグラフを設定します。
そして、パラグラフ①、パラグラフ②、パラグラフ③では、それぞれ書かれているトピックが独立しています。つまり、パラグラフ①、パラグラフ②、パラグラフ③ では、異なるトピックについて述べられています。

決して、形式的に字下げをして段落を分けているだけではないことに注意しましょう!

パラグラフ・ライティングの図

さて、上図の赤線の部分にトピック・センテンスを記述します。
パラグラフ①、パラグラフ②、パラグラフ③ それぞれのパラグラフにトピック・センテンスを記述することになります。

トピック・センテンスとは各パラグラフの要約文のことです。
トピック・センテンスの詳細は、こちらで説明しています。


まとめ

卒業論文など、論文形式の文章を執筆するときには パラグラフ・ライティング の技能を使いましょう。

パラグラフとは、ある1つのトピック(話題)について述べた文の集合のことです。パラグラフは、いわゆる段落よりも書いているトピックについての扱いが厳密なことに注意しましょう。各パラグラフで書かれているトピックはそれぞれ独立していなければならないのです。

卒業論文など、論理的な文章を書く技能を身につけておけば社会人生活を送る上でも役立ちます。卒業論文の執筆は時間的にも体力的にも大変ですが、この機会に論理的な文章を書くときの文章技能の1つであるパラグラフ・ライティングを、ぜひ、身につけてしまいましょう。


書籍の紹介

論文の書き方について書かれている本はたくさんあります。パラグラフ・ライティングについて書かれている本も多く、大学の図書館にも置かれていると思います。ぜひ、探してみてください。ただ、本をゆっくり読む時間がないという方には、以下の本は読みやすいかもしれません。

加藤恭子、ヴァネッサ・ハーディ(1998)『英語小論文の書き方 英語のロジック・日本語のロジック』講談社

こちらの本は新書で手軽に読めます。「日本人の書くものは、エッセイにしろ論文にしろ、”雲”。ふわふわとつかみどころがない」と、辛辣なセリフも書かれていますが、パラグラフ・ライティングのイメージをつかむには適した本だと思います。