独自性と新規性のために先行研究を探そう!
卒業論文などを書くときに苦労することのひとつが、先行研究を探すことです。

「先行研究を調べて!」って言われたけど、どこをどうやって調べればいいかよくわからない。それに、なんでそんなに先行研究って大事なの?
自分の研究の 独自性と新規性 を主張するためには、先行研究を調べる必要があります。

独自性と新規性?
なぜ、先行研究を調べるの?
卒業論文を書くためには、自分の論文の 独自性と新規性 を主張する必要があります。

たとえば、自分が考えた研究テーマについて、すでにどこかの誰かが取り組んでいて、すでに答えも出ているとしたらどうでしょうか?
自分の研究が、どこかの誰かによって取り組まれていたら独自性を主張できません。しかも、すでに答えが出ているとしたら、新たに研究する意味がありません。つまり、新規性がありません。
独自性と新規性を主張するためには、先行研究を調べる必要があるのです。ただし、自分が考えた研究テーマと似たような研究テーマがあったとしても
・自分は過去の研究とは違う視点に立って論じている
など、過去の研究と自分の研究の異なる点が明確であれば、 独自性と新規性を主張できます。

自分の研究は過去に行われた研究と「ここが違う」と示すわけだ!

そうです。「ここが違う」と明確に示すために、先行研究を調べましょう!
ここでは、取り組みやすいと思われる先行研究の探し方を3つほど紹介します。
先行研究の探し方
まずは、定番!大学図書館を利用します。
1. 大学図書館
大学の図書館は知の宝庫です。先行研究を探すために、まずは、大学の図書館をのぞいてみましょう。一般の図書館や書店などには並んでいない難しそうな本が、ずらっと並んでいます。

う〜〜〜ん、本が多過ぎて、探すのが面倒…
大学図書館に所蔵されている本はデータベース化されています。そのため、パソコンを使って図書館の蔵書を検索できます。検索用のパソコンが置かれていると思いますので、よくわからないときは図書館の人に聞いてみましょう。Google検索をするときと同様に、検索キーワードの選び方などにコツは必要ですが、効率よく本を探し出すことができます。
ただし、せっかく大学図書館に足を運んだのですから本棚を眺めてみましょう。自分の研究テーマとは直接関係なさそうだけど面白そうだなと感じる本があったら、ぜひ、手にとってパラパラとめくってみてください。想像もしていなかった研究のヒントが見つかるかもしれません。

パソコンを使って効率よく本を探すことも大切ですが、実際に手にとってパラパラと本を眺めてみると、思わぬ研究のヒントにめぐり合ったりしますよ!
2. 検索サイト
論文や本などの文献を検索するための検索サイトを使って先行研究を調べましょう。
ここでは、以下の3つの検索サイトを紹介します。
・国立国会図書館サーチ
・Google scholar
CiNii Research (旧 CiNii Articles)
CiNii Research は、学術論文に関する情報を検索するデータベース・サービスとして普及しています。検索するのであれば、まずは CiNii Research を使ってみましょう。
国立国会図書館サーチ
国立国会図書館サーチ(NDL サーチ)は、国立国会図書館が提供している検索サイトです。国立国会図書館をはじめ、全国の公共・大学・専門図書館や学術研究機関等が提供する資料、デジタルコンテンツを統合的に検索できます。本だけでなく、記事や論文も検索できます。
国立国会図書館には、日本で出版される本がすべて保存されています。とはいえ、実際に、本を手にとって中身を確認したいときは自分が所属する大学の図書館を利用する方が簡単です。
Google scholar
ご存知!Google が提供する学術文献を検索するためのサイトです。ウェブ上のあちこちに散らばっている同一論文を、一つにまとめて表示してくれますし、多くの論文や本、要約や資料まで検索可能です。
ただし、ネット上を隅から隅まで検索してくれるため膨大な量の文献が検索されてしまいので、それらの中から必要な文献を絞り込んでいく必要があります。そのため、複数のキーワードを使い、AND、NOT、ORを適宜組み合わせて検索することをお勧めします。

他にも、先行研究を探すサービスはあると思いますが、ここで紹介した検索サイトの使い方に慣れておけば、他の検索サービスを使うときに戸惑うことは少ないでしょう。
3. 参考文献リストの活用
ひとつでも、自分の研究テーマと合う論文や本を見つけることができたら、その論文や本に載っている参考文献リストをフル活用しましょう。参考文献リストを使って、自分の研究に役立ちそうな論文や本を、次々と探していく方法です。
役立ちそうな論文や本を見つけることができたら、それらの末尾にある参考文献リストを確認します。もしも、参考文献リストの中に役立ちそうな論文や本があったら、その論文や本を検索してみます。

参考文献リストを使って、次々、新しい論文や本を見つけていくんだね!
いわゆる、芋づる式に検索する方法です。参考文献リストを新たな手がかりとして、次々に新しい論文や本を見つけ出していきます。

自分は、博士論文を書くときに芋づる式検索法にすごく助けられました!
おまけ
研究室の先輩に相談しましょう。
同じ研究室に所属している先輩の中に、研究テーマが似通っている先輩はいませんか?適切な先行研究をなかなか見つけ出すことができないときは、所属している研究室の先輩に相談してみましょう。
まとめ
先行研究を探すときに取り組みやすい方法として、以下の3つを紹介しました。
・検索サイトの利用
・参考文献リストの利用
適切な先行研究をひとつ見つけ出すことさえできれば、あとは、見つけ出した論文や本に掲載されている参考文献リストを利用して、芋づる式に先行研究を見つけ出していくことができます。まずは、大学図書館や検索サイトを利用して適切な先行研究を見つけ出しましょう。
卒業論文の 独自性と新規性 を主張するためには、先行研究を調べる必要があります。先行研究と自分の研究の相違点を明確にして、独自性と新規性 を主張しましょう。

先行研究を探す上で一番難しいことは、適切な先行研究を探すことかもしれません。膨大な先行研究の中から 適切なもの を探し出す作業ってすごく大変ですから…